岸田文雄首相は2日午前の衆院予算委員会の質疑で新型コロナウイルスの感染急拡大が続く中で「今の時点では、緊急事態宣言について検討していない」と答弁した。立憲民主党の長妻昭氏から「従来であれば、すでに(緊急事態宣言を)出している局面。なぜ今回は検討すらしないのか」と問われたが、これまで同様の認識を改めて示した。

岸田首相は東京都を例に「昨年8月半ばの状況と比べた場合に新規感染者は3倍弱まで膨れあがっているが、病床あるいは、稼働率を引き上げたことで病床の使用率は50・7%(1日時点)、重症者の病床は使用率37・2%(同)、東京独自の基準では5・5%(同)という状況。まん延防止等重点措置の効果をしっかり確認した上で、今後の事態の推移を考えていきたい」と説明した。

3回目のワクチン接種が遅れる中で長妻氏から「菅(義偉前)総理は(ワクチン接種)1日100万回という目標を掲げた。自治体も目標がないと段取りもできない。1日ブースター接種、何回目標を立てませんか」とされた岸田首相は「一律に何万人という目標を掲げることは現状において適切かどうかと考えます」などと明言を避けた。