自民党は7日午後、事前審査の場で政府案への異論や批判が相次いでいる再審制度見直しに向けた刑事訴訟法改正案について議論する法務部会・司法制度調査会合同会議を、党本部で開いた。

これまでの会合では、裁判の長期化の一因とされる検察の不服申し立て(抗告)の全面禁止を求め、弁護士資格を持つ稲田朋美元防衛相や井出庸生衆院議員らが冒頭取材の際、「自民党は法務省のためにあるんじゃないんだぞ。ふざけんな!」「不誠実なんだよ!」など厳しい発言を繰り返してきた。

この日党側からは、メディアの取材が入った会議開始前の場での発言を自粛するよう要請が行われ、稲田氏らも冒頭では発言しなかった。

緊張感漂う会議室であいさつした司法制度調査会長の鈴木馨祐前法相は「3月の終わりから大変活発な議論をいただき、さまざまな論点についてご意見ご議論をたまわった」とした上で、この日、政府案に関して修正案をさらに修正した形の内容が示されることに言及した。

今回の改正案は、本会議や委員会の質疑に高市早苗首相が出席する「重要広範議案」に指定されているが、当初政府が目指した4月上旬の国会提出からは1カ月近く遅れている。鈴木氏は「重要広範議案」であることを念頭に、「会期末は7月の中旬で、いまは5月上旬。時間ということも、政府与党としてはしっかり考えていかないといけない状況だ」と、今国会への法案提出に向けては、タイムリミットも迫っていることに触れた。同時に、「しっかりした法案をつくっていくことも、政府与党の大きな使命。そうしたさまざまな観点から議論をいただき、いい方向性を打ち出せることを期待している」と呼びかけた。

今回の議論では、裁判の長期化の一因とされる検察の不服申し立て(抗告)の是非が最大の焦点。全面禁止を求める自民党内の異論を踏まえ、法務省は先月15日の会合で示した修正案で、抗告後の審理期間を1年以内とすることなどを盛り込んだが全面禁止には至っておらず、運用上の制限にとどまった。そのため異論が相次ぎ、4時間を超える議論でも了承には至らなかった。

法務省は7日の会合で、続出した異論を踏まえた上で再修正案を示す見通しだが、議員側との意見の隔たりは大きい。最大のヤマ場となるこの日の会合で結論が導かれるのか、不透明な状況だ。

稲田氏は先月15日の会合後、「今回出されたものは、議論前につくられたものとまったく同じで、信頼関係を損なうものだった」とした上で、「刑事司法への信頼を回復するためにも(検察)抗告は禁止すべきだ。自分も含めて人は誤るし、裁判所だって間違うこともある。検察も同じ。そこを認めて反省しないと、いい法律はできないと思う」とも述べ、検察抗告の禁止の明記を強く訴えた。

一方、高市早苗首相は4日、外遊先で報道陣の取材に応じた際、「与党内審査の議論も踏まえ、できる限り速やかに法案を提出するよう準備を進めたい」と述べた。この日法務省から出される再修正案の内容とともに、自民党内の対応が、「重要法案」の大きなかぎを握る。