元大阪府知事、大阪市長で弁護士の橋下徹氏(53)が12日、TBS系「ゴゴスマ~GO GO!smile~」(月~金曜午後1時55分)に生出演し、涙した。橋下氏は、8日に奈良市内で銃撃され67歳で亡くなった安倍晋三元首相の家族葬が営まれた東京・港区の増上寺からの映像を見て「これは、最後じゃないよね…絶対にね」と悔しさをにじませた。

番組では、安倍氏を乗せた霊きゅう車が増上寺を出て、永田町の自民党本部に向かう車列の動きを平地、上空から中継した。橋下氏は、安倍氏が約8年、戦った永田町に向かうところで

「本当に、死を覚悟して、やってたというのは、すごい伝わってきていたので。ちょっと、本当のことだか分からないけど、それだったら、政治信条で、かかってこられた方が、そりゃあ、安倍さんだって『こんちくしょう』という感じに、なったかも分かんないけど…これじゃないと思うな」

と語った。元海上自衛隊員の無職山上徹也容疑者(41)が「母親が宗教団体にのめり込み恨みがあった。団体と元首相がつながっていると思ったから狙った」という趣旨の供述をしていることを踏まえての発言とみられる。さらに

「こんだけ…本当、賛否両論あるんでね。全部が全部賛成と言っている人ばかりじゃないのは、もちろんそうなんだけど、本当に総理、大変なんですよ。本当、大変。本当に、言うのは簡単でね。それを8年近くやって…消費税2回、増税やってですよ。それで政権維持…みんな、1回上げるだけで倒れる」

「それに憲法問題から、何からを全部やって。アメリカのトランプ大統領に批判あるけど…あれ、覚えてます? 北朝鮮がミサイルぶっ放した時に、トランプ大統領の確か、別荘かどこかで会談をやっていて、安倍さん緊急で会見開くんですけど、トランプ大統領が、横にずっと立っていたんです。米大統領が。その関係を見て、僕らはどれだけ安全をもらっていたかってね」

と安倍氏の業績を紹介しつつ、口惜しそうに唇をかんだ。その上で

「その政治家の、最後の結末がこれっていうのは、僕は本当に納得できないな」と悔しさをにじませた。

橋下氏は、日本維新の会の法律政策顧問を務めていた16年に昼食をともにするなど、安倍氏と接点があった。人柄について聞かれると

「いろいろ政治的な何か思いがあったか、分からないけれど、僕は15歳くらい違う。日本の中の最強、最大の自民党の代表。僕なんか弱小野党の代表ですけど、自分で言うのもなんだけど、対等に。考え方は違うところはあった。安倍さんは国を中心に考えるし、僕は国というのは個人を守る手段と考えているし。だけど、お互い、国民のために国は強くしよう。そのためには賛否両論あるけど憲法改正…そういうところ話していて面白い。3時間話していても2時間半、笑い」

と振り返った。その上で

「最高の格好良い大人ですよ」

と言い、涙声になった。