現役最年長関取の東前頭3枚目玉鷲(片男波)が、37歳10カ月で昭和以降最年長優勝を果たした。本割で3敗で追う西前頭4枚目の高安(32=田子ノ浦)との直接対決を制し、13勝2敗。19年初場所以来2度目の賜杯を手にした。

   ◇   ◇   ◇

悲願の初優勝がかかっていた高安の地元・茨城県土浦市では25日、同市役所で約100人を集めたパブリックビューイングが開かれた。玉鷲に敗れた直後は「あー」と落胆の叫びでどよめいた。

市では縦約2・5メートル×横約3メートルのスクリーンを設置してプロジェクター機で映像を流し、集まった市民も「高安」のうちわを揺らして応援。「悲願の初優勝」の横断幕も掲げられていた。最前列で観戦していた東郷和男副市長(67)は「うーん、残念」とうなって「でも、大関から陥落して今場所は元気な姿を見せてくれた。コロナ禍で苦しいときに市民の希望になりました」と話し、さらに「次の九州場所前の11月5日に土浦市では3年ぶりに花火大会も復活する。高安の初優勝の景気付けになればいい」と語った。