日本維新の会の中条きよし参院議員は16日、参院文教科学委員会(15日)の質疑で自身の新曲CDやディナーショーのPRをしたことについて「不適切で大変、申し訳なく思っております。この場を借りて謝罪します」と陳謝した。中条氏は15日夜に藤田文武幹事長から「今回は至らないところ、不適切なところがあった」などとして口頭で厳重注意を受けた。

歌手で俳優の中条氏は12月に予定しているディナーショーを最後に芸能活動を停止し、政治活動に専念するとし、「宣伝だとまったく知りませんで、自分ではラストディナーショーで来年から新しい舞台で頑張らせていただきますというつもりで話した」と釈明した。

日本維新の会は中条氏の発言を重く見て、立憲民主党の岡田克也幹事長と藤田氏が会談を終えた直後の会見に中条氏を同席させ、冒頭で両氏が陳謝した。日本維新の会は参院に中条氏のPR発言を議事録から削除することを要請している。

中条氏は、7月の参院選比例代表に初出馬して当選した。出馬会見ではプロ歌手が選挙活動で歌声を披露するなどした場合は公職選挙法に抵触することを知り、驚きを隠さなかった。9日の「政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会」で国会で質疑デビューし、「こちらのマイクは手に持てない」とジョーク交じりに振り返ったばかり。15日の委員会は2度目の国会質疑だった。

中条氏は「こういうことを言っちゃいけない、ああいうことを言っちゃいけないということを正直言って把握していない」と経験のなさをなげいた。その上で「芸能界の活動は政治というものと一緒にはできない。最後のディナーショーで終わるという気持ち。ラストディナーショーです、と言うとまた宣伝になる?」と真顔で締めくくった。【大上悟】