覚醒剤取締法違反(使用、所持)の罪に問われたアイドルグループ「KAT-TUN」の元メンバー田中聖被告(37)の判決公判が27日、千葉地裁松戸支部(本間敏広裁判官)で開かれ、懲役1年4月の実刑判決が言い渡された。

執行猶予はつかなかった。求刑は懲役2年だった。

田中被告は顔側面が隠れるぐらいの額の真ん中から分けるストレートヘア、丸いフレームのメガネをかけ、ネクタイに黒いスーツで弁護士2人と入廷した。実刑判決を言い渡されたときは背筋をピンと伸ばし、うつむくことなく真正面を見据えていた。

起訴状などによると、田中被告は昨年6月28日ごろ、柏市の自宅で覚醒剤少量を吸引し、同29日午後10時ごろ、JR柏駅付近で覚醒剤を所持したとしている。起訴内容を認めていて、ガラスパイプで加熱・気化させて「覚醒剤を使用した」と供述。所持についても「家に置いておくと家族に見つかるので自分で持って外出した」などと供述していた。

これに先立つ同年6月20日には、別の覚醒剤取締法違反(使用、所持)などの罪で名古屋地裁から懲役1年8月、執行猶予3年の判決を受けていた。

本間裁判官は判決を言い渡した直後、「(名古屋地裁で)量刑確定していたにもかかわらず10日足らずで犯行に及んだ」と薬物への依存傾向の強さを指摘しながらも「施設内留置することで薬物治療にもなると思われる」と、判決には今後の薬物からの脱却の意味も込めていると付け加えた。