藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将=20)が佐々木大地七段(28)と1勝1敗で迎えた、将棋の第94期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第3局が3日、静岡県沼津市の「沼津御用邸東附属邸第1学問所」で行われた。

午前9時から始まった対局は、午後6時37分、先手の藤井が107手で勝ち、対戦成績を2勝1敗として4連覇と7冠堅持にあと1勝とした。藤井が一気に決めるか、佐々木がタイに追いついて最終局に望みをつなぐか。第4局は18日に新潟市「高志の宿 高島屋」で行われる。

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藤井が「我慢比べ」から抜け出した。エース戦法の「角換わり腰掛け銀」から、中盤はねじり合いとなる。お互い攻めの手掛かりがつかめず、相手に手を渡す局面が続く。「珍しい形から動いていったのですが、構想の立て方、局面の見方が分からず、難しい将棋だったと思います」。最後に手堅い銀打ちで佐々木の飛車を狙いながら、しっかり攻めを受け止めて投了に追い込んだ。

好相性の静岡県で、県内のタイトル戦連勝を「7」に伸ばした。一昨年のこの日、同じ場所で棋聖戦第3局を制し、渡辺明名人(当時)の挑戦を3連勝で退け、18歳11カ月でのタイトル初防衛と九段昇段を果たした。これが「静岡負けなし」の始まりだった。

昨年1月、初めて挑戦した王将戦7番勝負第1局(掛川市)では、当地6戦全勝だった渡辺王将(当時)を下して史上最年少5冠へ好スタートを切った。同9月の王位戦第5局(牧之原市)で豊島将之九段を倒して王位3連覇。同10月の竜王戦第3局(富士宮市)は広瀬章人八段に逆転勝ち。今年1月の王将戦開幕局(掛川市)で羽生善治九段を下すと、同4月の名人戦7番勝負第2局(静岡市)で渡辺に連勝し、史上最年少名人への足掛かりを築いた。

負けたらシリーズ途中で初の連敗、初の黒星先行でかど番となる危機を回避した。「これまでの3局はどれも難しい将棋でした。それを振り返って次も頑張りたいと思います」。まだまだ気は抜けない。【赤塚辰浩】

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