東武鉄道の新型特急「スペーシア X」運行開始に合わせて、終着駅の日光市で“元祖リゾート民泊”とも称される金谷ホテルもお祝いの「時のプリン」を提供している。

1873年(明6)創業の日光金谷ホテルは今年が創業150年。日光東照宮で和楽器の笙(しょう)の演者、楽人(がくにん)だった金谷善一郎が創業者。ヘボン式ローマ字を広め明治学院大の創始者で医師だったジェームス・ヘボン博士とは旧知で、日光旅行が好きだったヘボン博士を自宅に宿泊させていたことがホテルの起源となる。国内では現存する最古のリゾートホテルと呼ばれる。

当時、日光までの鉄道はなかった。ヘボン博士は人力車で東京から日光に駆け付けていた。ヘボン博士は鉄道敷設についても訴えていて、今日の「スペーシア X」の開通にもつながっている。

明治からの歴史を持つ日光金谷ホテルでは各時代のレシピは味の記録として大事に保管されている。明治、昭和、平成の各時代ごとレシピに忠実に「時のプリン」として復刻させた。3つのプリンを同時に食せて、しかも、どの時代のものなのかという解説は目隠しをされていてクイズを楽しみながら味わえる。

具体的な味の解説はホテルを訪れたときのお楽しみ。食堂部長も兼任する日光金谷ホテルの森川佳孝支配人は「日光のバカンスを彩ってきた各世代のプリンを味わってください。150年の歴史を存分に楽しんでいただきたい」と話し、令和タイプのプリンがないことには「令和もまだ5年…でも、スペーシア Xの運行記念でもあるので、最も新しいプリンは考えます、いや、つくります。もうちょっとお待ちください」と令和プリンの開発と販売を約束した。

また、リニューアル工事をしていた築88年の3階建ての木造建築の別館も半年ぶりとなる15日から営業を再開する。【寺沢卓】