藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=21)への挑戦者を決める、将棋の第36期竜王戦挑戦者決定3番勝負第2局、永瀬拓矢王座(30)対伊藤匠六段(20)戦が14日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。午前10時から始まった対局は後手の伊藤がきわどい終盤の寄せ合いから146手で抜け出し、連勝。タイトル戦初出場を決めた。同時に竜王挑戦の条件を満たし、七段に昇段した。7番勝負第1局は10月6、7日、東京都渋谷区で開催される。

敗れた永瀬の「三度目の正直」はならなかった。「難しい将棋だったと思います。どれが悪かったのか、すぐ分からないです」と話した。二転三転する激戦で、勝てるチャンスがあったかもしれない。

叡王2回、王座4回、棋王2回、王将1回、棋聖2回の計11回もタイトル戦に登場と、すっかり常連となっているが、竜王戦は不思議と縁がない。2015年(平27)の第28期は渡辺明棋王(当時)に1勝2敗で敗れた。一昨年は藤井に連敗した。その藤井が豊島将之竜王(当時)に4連勝し、10代で史上初の4冠を達成している。

さらに、今月末からの王座戦の挑戦者として名乗りを上げてきた。藤井にとっては8冠全制覇がかかる。迎え撃つ側として、「精いっぱい頑張りたいと思います」と語った。