芥川賞作家、柳美里さん(57)が17日までにX(旧ツイッター)を更新。参院選の争点にもなっている外国人をめぐる問題について、自身に寄せられた声を紹介した上で思いをつづった。
参院選(20日投開票)で外国人政策が争点のひとつとなる中、SNS上でも議論が繰り広げられている。柳さんは12日にXを通じ「『外国人は日本から出て行け!』の声がかつてないほど大きくなっている」と書き出した上で「おおやけに、外国人排斥を叫んで良いことになり、それによって多くの支持を集めている」と指摘した。
続けて「日本で生まれ育った外国人は、いったいどこへ出て行けばいいんでしょうかね?」と疑問を投げかけ、在日韓国人として「わたしは外国人です。もちろん、投票券は届きません。選挙期間中は、様々な情勢を至近距離から遠目に眺めている」と複雑な思いをつづっていた。
柳さんは18日未明、「特定の属性(人種、民族、宗教、性別、障害、性的指向など)を持つ人を傷つけたり、侮辱したり、排除したりする意図で使われる差別的な言葉は、個人の尊厳を傷つけるだけでなく、社会全体の不平等や偏見を増長させる契機となる」と記述。
続けて「だから、私だけの問題ではない。私が差別される原因となっている属性だけの問題ではない。思考されないで吐き出された言葉を、どうしたら思考することへと回復させることが出来るのかを考えている」とつづった。
そして別の投稿で「暴力は言葉から始まる。相手にする必要はない、という意見も目にするが、特定の属性の人間が、その属性ゆえに『ゴミ』『寄生虫』と名指されていることを見過ごすのは、危険だと思う。廃棄されたゴミの行き先は? 焼却炉あるいは埋め立て地ですよね? 寄生虫は、どうしますか?」と投げかけた上で「駆除、です」と記した。最後に「『ゴミ』『寄生虫』は暴力を扇動するヘイトスピーチです」と締めくくった。
韓国籍の柳さんは94年に小説家デビュー。97年に「家族シネマ」で芥川賞受賞。現在は福島県南相馬市在住。

