藤井聡太竜王(名人・王位・王座・棋聖・棋王・王将=23)が5連覇と「永世竜王」獲得に向けて連勝した。
17日、福井県あわら市「あわら温泉 美松」で行われた将棋の第38期竜王戦7番勝負第2局で、挑戦者の佐々木勇気八段(31)を圧倒した。16日午前9時からの2日制で始まった対局は、角換わりのから激しい攻め合いに。先手佐々木に誤算があったのか、同日午後の段階で形勢は早くも藤井に傾き、17日午後2時13分という早い時間に、68手という短手数で決着した。
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異例の速さでの藤井竜王の完勝でしたね。タイトル戦といえば、夕方から夜遅い決着というイメージですから。佐々木八段の早繰り銀の単調な攻めという欠点が出ました。逆に言えば、藤井竜王がそこをうまく突いたということです。
銀で攻めると意思表示した相手に対し、持ち駒の角を自陣の3筋に打って備えました。うまい手です。急所の攻防手であり、好手。自分から主導権を奪いにいってます。結果的にその角を7筋に成り捨て、4筋に伸ばしていた歩が成り込みました。3手一組の踏み込んだ決断の指し手が第2局のハイライト。と金ができて流れを引き寄せました。
封じ手の局面では、と金で相手の飛車を取っています。価値の低い駒で高い駒を取るコスパの良さ。局面はきわどく、対局者にとっては薄氷を踏む思いだったかもしれません。ただ、指し手がほぼ一直線で、その他の手を指せば危険と分かるようになった2日目は、藤井竜王の正確な対応が光りました。
「敗着が分からない」と佐々木八段は話していたようですが、強いて言えば作戦の選択ミスが敗着です。早繰り銀の作戦の再検討が必要です。(加藤一二三・九段)

