将棋の名人獲得経験者で「ひふみん」の愛称で知られる加藤一二三(かとう・ひふみ)九段が22日午前3時15分、肺炎のため死去した。86歳だった。

1954年(昭29)8月に14歳7カ月と当時の史上最年少でプロになった。30歳で洗礼を受けて熱心なキリスト教徒となると、名人1期などタイトルを計8期獲得し、17年6月に現役を引退した。その後はタレント活動なども行い、マシンガントークで人気者となった。

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◆加藤一二三・九段の記録

▼史上最年少プロ 1954年(昭29)、初の中学生棋士として当時史上最年少の14歳7カ月でプロ入り。順位戦ではノンストップで4期連続昇級し、18歳3カ月でのA級昇級という最年少記録は、今も破られていない。

▼対局数2505局 77歳で現役を引退するまで約63年間の現役生活で積み上げた対局数2505局は史上1位。通算勝利数は故大山康晴15世名人、羽生善治九段に次ぐ1324勝で、敗戦は歴代最多の1180敗。

▼将棋史上に残る名人戦10番勝負 1982年(昭57)、第40期名人戦で中原誠16世名人との熱戦を4勝3敗で制して初名人を獲得。千日手、持将棋を含め、7番勝負ならぬ10番勝負となる約4カ月にわたる激闘だった。名人、十段(竜王の前身)などタイトルを通算8期獲得した。

▼史上最年少V 1955年(昭30)、「第1回六・五・四段戦」で公式戦初優勝。15歳10カ月での達成は当時の史上最年少記録。18年2月の「第11回朝日杯」で、15歳6カ月で藤井が初優勝するまで、63年間、破られなかった。

▼不戦敗はゼロ 2505局では、体調不良などによる不戦敗もゼロだった。健康法は「よく眠ること」だった。