病気治療に専念するとして、先月参院議員を辞職した、れいわ新選組の山本太郎代表(51)は5日夜、東京・池袋西口で、衆院選(8日投開票)期間中、初の街頭演説を行った。「遺言と思って聴いてね。死なへんけど」とジョークをまじえながら、高市早苗首相(自民党総裁)の経済政策などを舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り捨てた。
山本氏は先月21日、血液のがんの一種「多発性骨髄腫」の1歩手前と診断されたと公表。議員辞職し、治療に専念する考えを明かした。衆院選応援は「完全封印」すると宣言していた中での、「緊急参戦」となった。
山本氏が登場すると、駅前を埋め尽くした2000人以上の聴衆から、拍手と「太郎コール」が起きた。山本氏は、冒頭で「病気になっちゃってね。選挙が始まって昨日までずっと休んでいた。その間いろんなところに出かけていったが、遊説に遭遇しなかった」とした上で「これだけ寒い季節に選挙をするのは、多くの人が選挙に参加したいための1つなんですよ」と高市首相の解散判断を皮肉った。首相が、予算案審議を行わないまま真冬の解散総選挙に踏み切り、「自分か、自分以外か」を争点にしていることを念頭に、「1人でも多くの人に審判を仰ごうという選挙で、そんな『コスい』やり方ないでしょ」とも述べ、怒りをにじませた。
また報道各社の自民優勢の情勢予測を念頭に「自民党に300議席なんて渡すわけにいかない。冗談じゃない。(自民党政権が)経済を壊し続けた30年だ。世界の中心で輝くって、一体どうやって輝くんですか」と、高市首相のお得意のフレーズにもかみつき「30年衰退して失われたのが日本。失われた40年に、今リーチがかかっている」と主張。「必ず選挙に行って、できれば、れいわ新選組に入れてほしい。社会は変えられる。雰囲気だけの選挙に流されないで」と、聴衆に呼び掛けた。
高市政権の経済政策などを痛烈に批判しながら、「私がこういう話をすると、山本太郎は高市さんの悪口ばかりだと。他の政党の悪口ばかり言っていると言いわれるが、ごめんなさい。そんな甘ちゃんでは、国はすたれるだけだよ」と語気を強める場面も。「政治に対してなにかしら『推し活』のようなことをするのは、逆に言えば、その人たちがみなさんの首を絞めるようなことをしていることを、見て見ぬふりをしていることと同じ」とも述べ、「『私が総理大臣でいいのか、それともそうでない人を決めてもらう』と言うが、補正予選の内容を見ればあの人が総理では、ダメなんです。失われた30年は40年にしかならない」と、主張した。
結党以来、「党の顔」として最前線に立ってきた山本氏が初めて不在となった今回の選挙。れいわは報道各社の情勢予測で苦戦が伝えられる。党の存亡がかかった形の戦いとなる中、山本氏は最終盤での参戦となった。「旧統一教会に選挙で応援された自民党議員は290人。愛国を名乗るな、保守を名乗るな。そのような者に力を与えてはならない。当たり前だと思いませんか」と叫んだほか、他党が政策に盛り込む以前の2019年の結党以来、主張を続ける消費税廃止を、アピール。山本氏は「身体を治して、妖怪だらけの国会に戻って鬼退治をしたい」と、国政復帰への強い意欲もあらためて示した。【中山知子】

