こんにちは。先週のきさらぎ賞では、ピーヒュレク騎手が日本での重賞初勝利を飾りました。以前のコラムでも少し触れましたが、彼が初めて日本競馬に憧れを持ったのは2014年、ジャパンカップにドイツから参戦したアイヴァンホウの調教担当として来日した時です。その年のジャパンカップに勝利したのはエピファネイアでした。強烈な勝ち方が彼の脳裏に鮮明に残り、これほど強い馬がいる日本で、いつか騎乗したいと思ったそうです。

エピファネイアと初対面したピーヒュレク騎手。憧れの馬に会え最高と話していました
エピファネイアと初対面したピーヒュレク騎手。憧れの馬に会え最高と話していました

今回初重賞勝利をプレゼントしてくれたビザンチンドリームは、そのエピファネイアの産駒という運命を感じる巡り合わせとなりました。1週前追い切りに騎乗させていただいた際、気性的に幼い馬ではありますが素晴らしい能力があることを感じ、特にしまいの脚が印象的だと話していました。レース本番では調教の時以上に引っ掛かる面がありましたが、調教の時に感じた瞬発力を信じて騎乗し、最後はすさまじい差し脚で鼻差先着してのゴールとなりました。着差こそ小さかったですが、能力の高さを示す勝利だったと思います。

大外一気の末脚できさらぎ賞を制したビザンチンドリーム(撮影・白石智彦)
大外一気の末脚できさらぎ賞を制したビザンチンドリーム(撮影・白石智彦)

ビザンチンドリームは、エピファネイア同様に騎手との折り合いが今後の課題となると思いますが、そこを乗り越えて父を超える活躍をして欲しいと願っています。まずは今年の牡馬クラシック戦線で力を見せてほしいと思います。

ビザンチンドリームを育成した佐々木淳史厩舎長(左)と元騎手の久保千秋さん(右)。ピーヒュレク騎手(中央)は勝利の喜びを分かち合いました
ビザンチンドリームを育成した佐々木淳史厩舎長(左)と元騎手の久保千秋さん(右)。ピーヒュレク騎手(中央)は勝利の喜びを分かち合いました

今回の勝利の後、ピーヒュレク騎手は彼を支える多くの方々と、そして何よりビザンチンドリームに対しての感謝をしていました。ファンの皆さまにもいつも熱い声援をいただけて感謝の気持ちでいっぱいです。今週も応援のほどよろしくお願いします。

(レースホースコーディネーター)