エフフォーリア、ヴェラアズール、デアリングタクトなど、名だたるG1馬に出資してきたKAZFORIA氏が、出資馬を選択する上での着眼点を解説します。(毎週火曜日、木曜日更新予定)

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前述【腹ポテやずんどうの馬は疝痛(せんつう)リスクが高まる 2月28日掲載】の通り腸が長い馬にとっては、腸の病気が命取りになることが多いので、内臓機能の良しあしも馬選びには重要である。太り過ぎはともかく基本的にはたくさん食べて成長することも大事だし、飼い食いが悪い馬は馬体減りでレースにもなかなか使えないことが多い。ただこれもやはり目には見えないのでどのように判断したらよいのだろうか?

内臓機能の良さは、代謝とも関係があるためか、毛艶や肌に表れると言われている。

まず毛艶は、カタログ写真の撮影時期が大体春から夏なので、冬毛がなくてきれいに見えるのが良い。冬毛が残っていたり、毛艶がくすんで悪く見えたりする馬は様子を見るようにしている。ただ募集が冬に近い時期であったり、クラブによってはあまり毛並みを整えないところもあるので、きめ細かい冬毛であれば許容範囲ととらえることもある。

なお毛艶については撮影時の天気にもよるが、ピカピカやテカテカとテカり過ぎている馬よりも、しっとりとした毛艶の方が好みである。これはしっとりとした毛艶の方が、前述の筋肉の柔らかさにつながると考えるからである。【筋肉が柔らかくて豊かな馬を選ぼう 1月19日掲載】ラウダシオンの毛艶はよく見えることが多かった。

肌については、やはりきれいな肌が良く、肌荒れしている感じだったり、ボツボツが多く見えたりする馬は様子を見るようにしている。筋肉の柔らかさとの関係では、なめらかできめ細やかで皮膚の薄さを感じる肌がベストで、ザラザラして硬い感じのする肌の馬は様子を見るようにしている。

さらに前述の通り、おなかのラインが後ろ脚の付け根に向けて緩やかなカーブで上昇している細めの胴が、適量の腸を示しており、内臓機能の良さにもつながると思う。

呼吸機能、心肺機能や内臓機能、こうした馬の内面は目に見えないので判断がかなり難しいが、馬の内面を外見から洞察して馬を選ぶ作業も、馬選びの楽しさの1つではないかと思っている。

2022年度キャロットクラブ募集馬では、スプリングゲイル21に皮膚の薄さと毛艶の良さを感じた。可能な方はご覧いただきたい。