11年に韓国に渡り、16年の種付けシーズン終了後からはソウルから2時間ほどの場所にあるソンアム畜産に繋養(けいよう)されていたアドマイヤドン。「ハヌレカッスムニダ(空に行きました)」と話し始めた同牧場のチョン・ジョンドク牧場長に最期を聞いた。

「昨年、今年と久しぶりに種付けをしたのですが、今年の種付けでトモを傷めてしてしまい…」。後躯麻痺(こうくまひ)となり、9月21日に安楽死の処置がとられたという。02年からJBCクラシック3連覇。当時のダート界を席巻した首領は23歳で旅立った。

産駒の成績が上がらず、18年以降は種付けしていなかったが、その間に産駒のチョンジストームが重賞を含む27戦9勝と活躍。「それもありますが、やはり種牡馬ですから」と同牧場のイ・ミョンオク代表。1頭でも多く産駒を残そうと種付けを再開したという。

21、22年とも1頭に種付け。3月27日にファンタスティック(父タピザー、母マーベラス)が出産した牝馬は4年ぶりの産駒となった。今年はソンアムロンダドール(父クロフネ、母ロンダドール)が受胎。来年、無事に出産に至れば、最後の産駒となる。【牛山基康】