2開催前の7月3日に初勝利を挙げた高橋宏征調教師(49)。その当日は「年内に1勝すればいいかなぐらいに思っていた」と6月15日の初出走から3戦目での勝利に驚いていたが、翌日に早くも2勝目を挙げ、その3日後には3勝目。この開催は6頭の出走で3勝の固め打ちとなった。

前開催は7月29日の1勝だけだが、それが最終日のメインレース。年内1勝でよかったとは思えないほどの勢いにも「本当にそれぐらいのつもりでした。厩務員が長かったので、そんなに競馬は甘くないというのは嫌というほど知っているので、浮かれず、これはご祝儀だと思って」と淡々。あくまでも「馬の力を出せるようにというのだけ心がけて」がスタンスだ。

4勝のうち3勝を桜井騎手で挙げた。初勝利も同騎手。「桜井騎手もそうですが、ほかにも若手にいい人材はいますからね。(才能を伸ばすのは)きっかけだと思うので、その手伝いができれば」と積極的に若手騎手を起用する。「馬も強くなって、ジョッキーの駒もそろってというのが川崎競馬にとって一番いいと思うので」。川崎の将来も見据え、新調教師が第1歩を踏み出した。【牛山基康】