お盆開催の大井競馬場。記者席で仕事中に藤井勘一郎騎手(39)から突然の電話。「コリアCを見に行こうと思うんですけど」。昨年4月の落馬事故からもうすぐ1年半。車いす生活をものともせず、どんどん行動範囲を広げている様子はX(旧ツイッター)などを通じて知っていたが、いよいよ海外にも1人で行こうというから驚いた。

16年コリアCをクリソライト、18年コリアスプリントをモーニンで勝利。両競走を制したのは藤井騎手が初めて。ほかにもダービーやグランプリなどを勝ち、韓国では関係者だけでなく競馬ファンにも知らない人がいないほど。当然、現地では歓迎ムードで、藤井騎手に続いて両競走を制した韓国のトップジョッキー、ムン・セヨン騎手をはじめ、現地の騎手仲間たちも次々に再会を喜んでいた。

今回はノーザンファームとの縁でコリアCのグロリアムンディの関係者として出席していた。ソウル競馬場の注意点などを騎手目線でリポートにまとめ、同馬に騎乗した坂井瑠星騎手に熱心にアドバイス。そのバイタリティーにもあらためて感服した。【牛山基康】