13日に行われたクラウンCトライアルの椿賞。本番と同舞台の川崎1600メートルで争われ、船橋のクニノトキメキ(牡3、張田)がゴール前で差し切った。「トライアルばっかり勝ってもなあ」と張田師。21年にはジョエルで本番も制した師だが、昨年のハセノゴールドが小差の3着。その印象が強いのか。とはいえ椿賞が準重賞となった19年からの6年で3勝。師がやたらと椿賞に強いのは確かだ。

師が「走ると思うけど、乗り役を選ぶ」と苦笑いのクニノトキメキ。なかなかのクセ馬らしい。ここまで10戦3勝。そのうち9戦に騎乗した今野騎手がすべての勝利を挙げた。「調教師が難しい馬ばっかり頼んでくる(笑い)」と同騎手。それだけ師が腕を信頼しているのだろう。2700勝の名手をして難しいという同馬だが「乗り味はいいですよ」と話す。ただ「走ろうとはしているんだけど、基本は走るのが好きではないから…」と道中の苦労が絶えないようだ。これには師も「だから本気になれば強いと思う」と期待する。

椿賞の勝ち馬は19年から4年連続で本番も勝利。その流れは昨年で途切れたが、今年の勝ち馬は本気さえ出せば…。4月2日の本番が楽しみだ。【牛山基康】