香港4歳シリーズを締めくくる香港ダービー(芝2000メートル)が日曜(19日)、シャティン競馬場で行われます。

昨年の香港ダービーはシリーズ初戦の香港クラシックマイル(芝1600メートル)を制したロマンチックウォリアーが差し切って2冠を達成。2冠目の香港クラシックカップ(芝1800メートル)を逃げ切ったカリフォルニアスパングルは、ゴール寸前でロマンチックウォリアーに頭だけかわされて惜しい2着となりました。

ご存じのようにロマンチックウォリアーとカリフォルニアスパングルは、その後にG1タイトルをつかんで古豪ゴールデンシックスティとともに香港競馬の顔に成長しました。

昨年は2つのダイヤモンドの原石が含まれていましたが、今年はまだこれと言った傑出馬は見えず。玉石混交の年と言えそうです。

2023年の香港4歳シリーズを振り返り、香港ダービーを展望したいと思います。

シリーズ初戦として1月29日に行われた香港クラシックマイル(芝1600メートル)はゲートを素早く飛び出して主導権を握った4番人気のヴォイッジバブルが優勝、3番手を進んだ8番人気のトゥヘルが1馬身4分の1差の2着しました。1番人気のパッキングトレッドミルは3着。勝ちタイムは1分34秒58でした。

2月26日の香港クラシックカップ(芝1800メートル)は香港クラシックマイル不出走で、1番人気の支持を集めたスーパーサニーシングの末脚がさえて快勝。香港クラシックマイルの覇者ヴォイッジバブル(6着)の逃げをマークしたソードポイントが2着、3着にゴール前で追い込んだギャラクシーウィットネス、前走2着のトゥヘルは4着に終わりました。勝ちタイムは1分46秒26でした。


今年の香港ダービーは以下の14頭によって争われます。

枠番(馬番)馬名 騎手

1(6)トゥヘル R・ムーア

2(9)スウィートエンカウンター L・カリー

3(8)ギャラクシーウィットネス D・レーン

4(14)ボンズアパーラ L・ヒューイットソン

5(1)キーフィ K・リョン

6(5)ソードポイント H・ボウマン

7(2)ビューティーエターナル Z・パートン

8(12)エンカウンタード S・デソウサ

9(3)スーパーサニーシング C・ホー

10(13)ストレイトアーロン B・シン

11(7)ビューティーヴァース J・マクドナルド

12(10)アトゥリビギール L・フェラリス

13(11)フラッグシップウォリアー K・ティータン

14(4)ヴォイッジバブル A・バデル


2冠を終えた段階では香港クラシックカップ優勝のスーパーサニーシング(セン4、父ニッコーニ、W・ソー厩舎)が頭ひとつ抜けているようですが、2000メートルの香港ダービーで台頭するだろう馬もいて、(日本では買えませんが)馬券的には面白いレースになりそうです。

筆者はマイル5着、カップで3着したギャラクシーウィットネス(セン4、父スターウイットネス、C・ファウンズ厩舎)に注目しています。2戦はいずれも最後方から大外を回ってのもの。距離延長は間違いなく追い風になりそうです。スーパーサニーシングは2番手評価にとどめ、単穴はこのレース一本に狙いを定めたビューティーエターナル(セン4、父スタースパングルドバナー、J・サイズ厩舎)としました。脚部不安を抱えて軌道に乗るまで時間を要しましたが、1月からは一般戦を3連勝。いずれもが単勝1倍台の人気に応える横綱相撲でした。前走芝1600メートルの勝ちタイム(1分33秒40)も優秀で、まとめて負かすならこの馬かもしれません。穴馬候補にはマイル13着、カップ5着と徐々に着順をあげてきたフラッグシップウォリアー(セン4、父フォックスウェッジ、D・ヘイズ厩舎)を挙げます。エンジンのかかりが遅く、いつも前半は後方に取り残されてしまいますが、使える脚が長く、距離が延びて変わり身が見られそうです。

香港ダービーをチェックしておけば馬券発売される可能性の高い4月のクイーンエリザベス2世カップやチャンピオンズマイルにきっと役立つと思いますよ。

(ターフライター奥野庸介)競走成績等は2023年3月17日現在

シンガポールといえば(笑い)
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