週末の2日から3日にかけて注目レースが世界各地で行われます。

【2日=UAEドバイスーパーサタデー】

ドバイのメイダン競馬場では、30日(土曜)のドバイワールドカップデーをめざす馬たちの最終ステップとなる8つのサラブレッド競走が開催されます。

注目はドバイシーマクラシック(G1、芝2410メートル)の前哨戦となるドバイシティオブゴールド(G2、芝2410メートル)と、ドバイワールドカップ(G1、ダート2000メートル)への出走権をかけて行われるアルマクトゥームクラシック(G2、ダート1800メートル=旧マクトゥームチャレンジ・ラウンド3)です。

9頭立てのドバイシティオブゴールドには地元“ゴドルフィン”からボールドアクト(セン4、父ニューアプローチ)、キャッスルウェイ(セン4、父アルマンゾル)、ウォーレンポイント(セン5、父ドバウィ)の3頭が参戦。欧州勢はG1凱旋門賞(7着)以来の実戦となるドイツのシスファハン(牡6、父シスファハン)が出走します。ゴドルフィン勢の代表は、昨年7月のG3バーレーントロフィーSでタワーオブロンドン(サウジアラビアのG3レッドシーターフハンデの勝ち馬)を破り、G1英セントレジャーでコンティニュアスの2着したキャッスルウェイでしょう。勝ち馬はシャフリヤール、ジャスティンパレス、スターズオンアース、リバティアイランドなど日本馬と相対することになります。

13頭立てになったアルマクトゥームクラシックには、1月26日のG1アルマクトゥームチャンレジでカビルカハーン(ロシアなどで11戦10勝)に負けた馬達がそろって出走。敗者復活戦の様相となっています。注目は米国から遠征初戦で3着したクラプトン(牡5、父ブレゼレン)です。米国では重賞に2勝、ホワイトアバリオの11着に惨敗しましたが昨年のG1ブリーダーズCクラシックに駒を進めました。ここはやや小粒のメンバー構成ですが、勝った馬はウシュバテソーロ、デルマソトガケに挑むことになりそうです。


【2日=米国ファウンテンオブユースS】

フロリダのガルフストリームパーク競馬場では、G1ケンタッキーダービーの有力馬が激突するファウンテンオブユースS(ダート1700メートル)が9頭によって争われます。

ここでの注目は現在前売り1番人気の座にあるシエラレオーネ(牡3、父グッドマジック、D・ガーガン厩舎)を昨年12月のレムゼンS(G2、ダート1800メートル)で2着に退けたドーノック(牡3、父グッドマジック、D・ガーガン厩舎)と、G1ブリーダーズCジュベナイルの1番人気馬で前売りで常に上位に並ぶロックト(牡3、父ガンランナー、T・プレッチャー厩舎)の対決です。

ドーノックは昨年のケンタッキーダービー馬メイジの全弟。昨年4戦2勝、2着2回で、テンからガンガン飛ばす典型的なアメリカンタイプです。対するロックドは昨年4戦2勝、3着2回。2歳王者を決めるG1ブリーダーズCジュベナイルは前半控えて直線差を詰めましたが、勝ったフィアスネス(牡3、父シティオブライト、T・プレッチャー厩舎)の3着でした。

この勝ち馬は30日(土曜)のフロリダダービー(G1、ダート1800メートル)に駒を進め、2月17日のリズンスターS(G2、ダート1800メートル)の優勝が高く評価されているシエラレオーネや、2月3日のホーリーブルS(G3、ダート1700メートル)でフィアスネス(3着)を破り、無傷3連勝となったハデス(セン3、父オーサムスルー、J・オルセノ厩舎)とぶつかります。


【3日=香港クラシックカップ】

香港シャティン競馬場では4歳3冠シリーズの第2戦となる香港クラシックカップ(芝1800メートル)がフルゲート14頭で開催されます。見どころは初戦の香港クラシックマイル(芝1600メートル)を差しきったヘリオスエクスプレス(セン4、父トロナド、J・サイズ厩舎)の2冠がなるかです。前走は直線で先を行くヘレンフィーリング(セン4、父シューネイション、C・シャム厩舎)を楽にかわして1馬身4分の3差の完勝、単勝1・3倍の1番人気に応えました。距離が200メートル延びるだけとあって、ここもヘリオスエクスプレス、ヘレンフィーリングの2強ムードは揺るがないようですが、少し気になるのはここからシリーズに参戦するチルチビ(セン4、父ロート、C・シャム厩舎)とインシュード(セン4、父レモンドロップキッド、J・サイズ厩舎)の存在です。チルチビは香港で6戦4勝、2着1回。前々走ハッピーバレー競馬場の芝1800メートル戦は最後方から大外を回って優勝、シャティン競馬場はこれが初登場となりますが、その決め手は侮れません。もう1頭のインシュードはアイルランドからライアン・ムーア騎手を呼び寄せての参戦。1800メートル戦でデビュー勝ちを飾り、その後は2000メートル戦に2勝と、こちらは2000メートルの香港ダービーを意識した使われ方をしています。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績などは2024年3月1日現在


※次回更新は3月15日の予定