ルーキー今村聖奈騎手(18=寺島)が史上5人目の重賞初騎乗Vを果たした。ハンデ最軽量48キロのテイエムスパーダ(牝3、五十嵐)を見事にエスコート。08年愛知杯の宮崎北斗騎手(セラフィックロンプ)以来14年ぶりの快挙で、藤田菜七子騎手(19年カペラS=コパノキッキング)以来JRA女性騎手2人目となる重賞タイトルを手にした。

あどけない顔いっぱいに笑みが広がった。前日が小倉初騎乗だったとは思えない鮮やかな手綱さばきで、18歳が芝1200メートル17頭立ての激戦をものにした。

濃密な“予習”が実を結んだ。週初めに騎乗が決まると、直前4戦に騎乗した国分恭騎手へ連絡。癖や特長について取材した。水曜の追い切りに加え、土曜朝の小倉でも早起きして午前6時から最終調整に騎乗。主従関係ではなく「お友達になろう」という意識で接し、短期間に理解を深めた。「馬も若いですし、私も若いので、フレッシュで活気ある騎乗をして、いいレースをしたいです」。宣言通り、はつらつとした走りで先頭を駆け抜けた。

同期で断トツの勝利数を挙げ、女性初の新人賞獲得も視界に入る。夢も希望もふくらむばかり。記録ラッシュの快進撃は、まだまだ止まりそうにない。