これが“バラ一族”の成長力だ。スタニングローズ(高野)が1番人気に応えて重賞2勝目を挙げた。

秋初戦は馬体重14キロ増とボリュームアップ。オークス2着以来の実戦で、逃げた2着馬サウンドビバーチェ(高柳大)とのたたき合いを首差で制した。勝ち時計は1分59秒9。

3着に入ったライラック(相沢)までが秋華賞(G1、芝2000メートル、10月16日=阪神)の優先出走権を手にした。

   ◇   ◇   ◇

たくましさと頼もしさ。春よりも一段とスタニングローズは成長していた。坂上まで抵抗したサウンドビバーチェを最後の3完歩でかわす。2月以来のコンビを組んだ坂井騎手は「折り合いに進境を感じながら道中を進んでいました。数字が示すように、体が大きくなって心身とも成長していますね」と振り返る。首差の勝利には進化が詰まっていた。

苦汁をなめたオークス2着から馬体重を14キロも増やした秋初戦。高野師は「肉体が一般論としての牝馬とは違う。馬体の維持に気を使うのが牝馬。その心配がない」と話す。4代母ローザネイから広がるバラ一族は成長力が売り。祖母ローズバド、叔父ローズキングダムは3歳秋以降も大舞台の主役にいた。「オークスの結果も自信になりましたし、今は馬に対して揺るぎない信頼があります」。前哨戦仕様で反応の鈍さはあったが、みなぎるパワーで勝ち切った。

さらに“上”がある。坂井騎手は「前哨戦を一番いい形で終えられました。次はもっと良くなると思います」と上積みを見込む。フラワーCに次ぐ重賞2勝目を挙げ牝馬3冠最終戦へ。秋の華やぐG1ではバラが咲き誇る。【松田直樹】

◆スタニングローズ ▽父 キングカメハメハ▽母 ローザブランカ(クロフネ)▽牝3▽馬主 (有)サンデーレーシング▽高野友和(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 9戦4勝▽総収得賞金 1億7250万2000円▽馬名の由来 魅力的なバラ