夏は、まだ終わらない! 団野大成騎手(23=斉藤崇)が、大混戦のサマージョッキーズシリーズ逆転優勝を狙う。サマースプリントシリーズ最終戦、セントウルS(G2、芝1200メートル、10日=阪神)は、ディヴィナシオン(牡6、森秀)とのタッグ。CBC賞、北九州記念と夏重賞で2勝した若武者が、巧みな手腕を発揮して、今夏の騎手NO・1に輝く。

少しずつ秋めいてきた栗東トレセンだが、今週末まで夏は終わらない。夏の王者奪取に燃える男がいる。「サマージョッキー取りたいですね」。そう意気込むのは団野騎手だ。

今週末に王者が決まるサマージョッキーズシリーズ。団野騎手は現在24ポイントの3位で、28ポイントで1位の川田騎手を追いかけている。今週次第で逆転優勝は可能だ。

今年は高松宮記念でG1初制覇(ファストフォース)を遂げ、ここまで重賞4勝と勢いに乗る。好調の秘訣(ひけつ)については「今年2月くらいから(横山)武史先輩のトレーナーに乗り方をレクチャーしてもらっていて。それがハマっている感じ」と語る。これまでは重心を前めに置く騎乗スタイルだったが、後ろに置くようになったという。「馬のアクションは全然違う。人はしんどいですけどね」。きついながらも馬にハマった騎乗スタイルが、今年の成績につながっている。

その好調の波に乗って挑むセントウルSはディヴィナシオンとタッグを組む。1週前追い切りで初コンタクトを取り「頭が高くて体が使えなかった。しまいは使えるので、頭が高くならないように気をつけたい」と感触をつかんだ。

デビュー5年目の同期では岩田望騎手、斎藤騎手もこの夏は重賞で勝っている。ライバルの活躍もいい刺激だ。「秋は結果を出したいと思っています。夏の成績は悪くなかったので、いい流れでいきたい」。サマーシリーズも差し切り勝ちで、この夏を締めくくる。【下村琴葉】

◆サマージョッキーズシリーズ優勝のゆくえ シリーズ対象競走で1勝以上した騎手の中から、合計得点が最上位の騎手が優勝。合計得点最上位が複数名の場合はそれぞれシリーズチャンピオンとする。現在1位の川田騎手(28ポイント)は今週は対象競走に騎乗しない(10日は韓国に遠征)。逆転“単独”Vの可能性があるのは3人。2位西村淳騎手は京成杯AH4着(3ポイント)以上、3位団野騎手はセントウルS3着(5ポイント)以上、4位松山騎手は京成杯AH1着(10ポイント)で川田騎手を抜き、あとは他の上位騎手のポイント加算次第。浜中騎手、幸騎手は今週Vで川田騎手と並んで同時優勝の可能性を残す。