調教師ラストデーまで残り1カ月-。騎手時代から競馬史にその名を刻んできた河内洋師(69)が、今週日曜(9日)の東西重賞に有力馬を送り込む。
東京新聞杯(G3、芝1600メートル)はウォーターリヒト(牡4)、京都のきさらぎ賞(G3、芝1800メートル)はウォーターガーベラ(牝3)がスタンバイ。両馬はきょうだいで、祖母マチカネハヤテから3代続けて河内厩舎で育てた“ゆかりの血統”だ。ともに好調で、同日重賞ダブル制覇を狙う。
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全休明けの月曜も、河内師の姿は厩舎にあった。「これから厩舎の後片付けをしないとな」。慣れ親しんだ自身の拠点を眺める。調教師生活も残り1カ月。今週は、祖母から厩舎で管理してきた“ゆかりの血統”のきょうだい2頭で、ダブル重賞制覇のチャンスだ。
東京新聞杯の兄ウォーターリヒトは、昨秋に力をつけた。休み明けでいきなり3勝クラスを勝ち、続くリステッドのキャピタルSも快勝。年明けの京都金杯も首差2着に好走した。「大外枠で厳しかったけど、しまいはよく伸びた。重賞でもやれることが分かった」と師は評価する。レース後はダートG1のフェブラリーSへの出走も検討されたほどだ。
ちょうど1年前のきさらぎ賞で鼻差2着など、もともと力はあった。だが、その後の春G1などでは着順が降下。「デビューからNHKマイルC(8着)まで、ずっと在厩し出走していたから、昨春は疲れもあったのかもしれない。リフレッシュして力を出せるようになった」と担当の瀬戸口助手は見立てる。
東京新聞杯へ向け、1週前は坂路で4ハロン52秒2-11秒9と抜群の動き。「状態はいい」と河内師は仕上がりに自信を持つ。自身のもとでの出走はこれが最後になる可能性が高いという。「いい結果を出して、先につなげてほしい」と“親心”をみせる。
きさらぎ賞の妹ウォーターガーベラは前走の日刊スポーツ賞シンザン記念で3着。師は「不利を受けたり、顔に泥があたったり、2走前や3走前は敗因があった。前走はよく走ってくれた」と力を再確認した。
こちらは厩舎最後の開催日となる3月2日阪神のチューリップ賞(G2、芝1600メートル)への参戦を目指している。「そのために、ここで賞金を加算したい」。勝負への意欲はまったく衰えない。【岡本光男】
◆調教師の同日東西重賞制覇 昨年は杉山晴師が1月28日に東京・根岸S(エンペラーワケア)、京都・シルクロードS(ルガル)で達成。東京新聞杯ときさらぎ賞の同日ダブル制覇は、17年音無師の1度だけ。東京新聞杯をブラックスピネル、きさらぎ賞をアメリカズカップで制した。

