王者の風格が漂う。2番人気エリキング(牡、中内田)が、秋初戦を白星で飾った。

後方外から力強い末脚で差し切った。川田将雅騎手(39)はセントウルS、ローズSに続く3週連続の重賞制覇で、史上6人目のJRA重賞通算150勝を達成した。今後は10月26日京都の菊花賞(G1、芝3000メートル)に向けて調整される予定だ。

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あそこから届くとは…。500キロを超える雄大な馬体が、仁川のターフを疾走した。エリキングが後方4番手から勢い良く伸びて、待望の重賞2勝目を手にした。川田騎手はゴール板通過後、左手を首筋にあてて、愛馬の走りをねぎらった。

「菊花賞に対応できるようにと、こうやってゆっくりと競馬もしてきましたし、体自体も無理せずに作ってきていますので、これを使って良くなるというところでこれだけの走りができたというのは、ありがたい収穫です」

鞍上も次の大一番に向けて、確かな手応えを得ていた。

まさに“王”の名にふさわしい走りだった。道中はじっくりと脚をため、1000メートル通過が1分2秒6の超スローペースにも慌てず騒がず。

「春よりも体がひとつ成長して進みは出てきたんですけど、菊花賞のためにゆっくり、この馬のリズムを大事にしました」

4角でもまだ後方。さすがに届かないか…と思われた瞬間、1頭だけ違う次元の脚で伸びてきた。究極の瞬発力勝負のなか、上がりは次点に0秒5差をつける3ハロン32秒3を計時。力が違うと言わんばかりの風格を漂わせていた。

次に目指すはG1のタイトルだ。牡馬クラシック3冠目の菊花賞で戴冠を目指す。「これでひとつ本番に向けていいステップが踏めました。いい形で次に向かえます」と中内田師。強さのなかに大きな収穫があったエリキング。3歳秋でひと皮むけ、さらなる大舞台へ向かう。【藤本真育】

◆エリキング▽父 キズナ▽母 ヤングスター(ハイシャパラル)▽牡3▽馬主 藤田晋▽調教師 中内田充正(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 6戦4勝▽総獲得賞金 1億4134万8000円▽主な勝ち鞍 24年京都2歳S(G3)▽馬名の由来 人名より+王