なぜ今年も走り続けるのか-。世界最強ダート馬フォーエバーヤング(牡5、矢作)が、世界最高賞金レースのサウジC(G1、ダート1800メートル、14日=キングアブドゥルアジーズ)で26年初戦を迎える。これまで幾多の名馬が4歳で引退した中で、頂点を極めた翌年も現役を続ける理由とは? 「サウジC最前線」を担当する太田尚樹記者が、サイバーエージェント会長の藤田晋オーナー(52)に直撃取材した。
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異例ともいえる5歳現役の理由は…? 僕はずっと気になっていた。
ディープインパクト、コントレイル、イクイノックス。歴史的名馬たちの多くが、4歳で競馬場を去った。せん馬や牝馬と違い、とりわけ牡馬は種牡馬としての価値を考慮する必要がある。現役にはリスクもつきまとうからだ。日本のみならず米国でも、過去10年(15~24年)でBCクラシックを制した古馬6頭のうち翌年2月以降も走り続けたのは1頭(23年ホワイトアバリオ)しかいない。
だからこそ、ダート世界最強馬フォーエバーヤングの現役続行は、競馬ファンを喜ばせた。勇気ある決断だったと思われる。
はたして、なぜだったのか? 多忙であろう藤田オーナーに直撃取材を申し込むと、なんと十数分後にはメールで回答が届いた。
「経緯といわれると、そんな大層な話はないのですが、単純に私が5歳も競馬するところが見たいというのが最大の理由です。一応、矢作先生はどう考えてるかは聞いたのですが、『私は調教師なので長く走ってもらえたほうがうれしい』という答えだったので、5歳いっぱいということになりました。たしか昨年の春くらいにはもうそう決めていたと思います」
理由はシンプルだった。ビジネスマンというよりもホースマンとしてロマンを追うということか。
世界一を極めた後には、米国など海外からも種牡馬としての購買オファーが届いたという。それでも昨春に決めた方針を覆すことはなかった。
「種牡馬としての大事な仕事も待ってますが、私としては馬主は道楽なので、競走馬での現役も、種牡馬としての活躍も両方目いっぱい楽しみたいですね」
そう、誰よりもオーナーが、愛馬の走りに心を躍らせている。どちらも史上初となるサウジC連覇&中東G1連勝、獲得賞金50億円突破、そして芝への挑戦計画。夢に満ちた1年がいよいよ幕を開ける。

