【リヤド12日=太田尚樹】たたき合いでねじ伏せる-。米国で殿堂入りの名将ボブ・バファート調教師(73)が打倒フォーエバーヤング(牡5、矢作)へ燃えている。3度の2着がある念願のサウジC(G1、ダート1800メートル、14日=キングアブドゥルアジーズ)にナイソス(牡5)、ネバダビーチ(牡4)の強力2頭出し。日本の雄を「彼はユニコーンだ」と“ほめ殺し”した上で、勝負根性に優れるBCダートマイル覇者ナイソスが競り勝つ青写真を描いた。

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真っ白な髪にサングラスの73歳は口を開くと止まらない。史上最多タイのケンタッキーダービー6勝を誇る名将ボブ・バファートが公式会見で気炎を吐いた。日本の調教師ならすでに定年の年齢だが、それを感じさせない。まずは米国人らしく(?)ライバルを賛辞のパレードで持ち上げた。

「去年のサウジCは直線でロマンチックウォリアーが突き放して終わったと思ったが、フォーエバーヤングはアンビリーバブルだった。彼はユニコーンだ。尊敬するよ。遠征に強くて本当にタフだからね」

ドジャース大谷の代名詞にもなっている「ユニコーン」。実在しない神話レベルの存在を指す。前日11日に矢作師へ探りを入れたエピソードも明かした。

「彼から『馬は仕上がっている』と聞いて、あまりいい気分ではなかったよ(笑い)。でも、だからこそレースはすばらしいものになるはずだ」

もちろん王者打倒をあきらめてなどいない。エースのナイソスは8戦7勝、2着1回と底を見せていない。たぐいまれな根性で接戦に強く、昨秋にはBCダートマイルを制した。今後はドバイへ向かわず帰国する予定で、この“1戦”にかける勝負気配も漂う。

「私の馬は努力家だし、ゴール板を知っている。普段はポニーのようにおとなしいし、レースでも好きな時に動ける。状態もフレッシュでハッピー。初の1800メートルでもワンターンなら問題ない。外枠(12番枠)で、もまれないのもいい。直線で去年みたいなたたき合いに持ち込むのが理想だね」

併せ馬でねじ伏せる。そんな青写真を描いている。

もう1頭のネバダビーチも侮れない。前走では僚馬ナイソスの頭差2着に健闘した。フォーエバーヤングに挑んだBCクラシックでは7着と大敗したが「あの時は内で詰まった。広いコースは合うからね。チャンスはある」と息巻いた。精鋭2騎を擁する殿堂入りのレジェンド。つやを失っていない顔には不敵な笑みをたたえていた。

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