阪神にとって、巨人、広島、DeNAと続いた9連戦は4勝5敗だった。

山田 阪神はいいゲームをして乗っていくのかと思いきや、なんだかおかしな負け方もするし、まだちょっとチームの戦いに波があるようだ。そういう意味では9連戦を1つの負け越しで止めたという見方ができるだろう。ただ近本の出塁率が上がったことで打線がつながってきたのは光明といえる。

ここにきて先発ローテーションを組み替えた。青柳を中4日で投入。立ち上がりからの不調を、打線が中谷、サンズの2本塁打を含む2戦続きの2ケタ安打でひっくり返した。

山田 ここから上位を狙うチームなのに、先発ローテーション入りしている青柳がローテーションを替えられているようでは困るよね。相性が悪かったり、苦手はあっても、そこを乗り越えないと。他のピッチャーにもしわ寄せがくる。そこは今の青柳の調子を維持させたい首脳陣の親心だろう。最近は荒れ球がなくなってまとまりすぎてきた。ツーシーム系、シンカーを多投し、真っすぐが少ないのは、梅野が何かを敏感に感じとってリードしているようだった。

最終回はスアレスが3長短打を浴びて1点差に詰め寄られたが逃げ切った。

山田 抑えのスアレスはとにかく抑えればOK。「8回」は馬場に決めたような起用だが、まだそこに固定できるまでには至っていない内容だ。チーム浮上のポイントは、いかにスアレスにつなぐか。それとクリーンアップにかかっている。 【取材・構成=寺尾博和編集委員】