阪神藤川球児投手(40)が今季限りで現役引退することが31日、明らかになった。阪神球団が同日、発表した。

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びっくりしたというより、寂しい気持ちの方が大きい。今季初めて1軍登録を抹消された時、球児に連絡しました。肩の調子がよくないと話していましたが、責任感が強い男だし、自分のことよりもチームに迷惑をかけたくないという気持ちの方が強く感じました。今季限りで辞めてしまうのではないか、という思いが頭の中を巡っていました。

北京オリンピック(五輪)で一緒に戦ったから、性格は知っているつもり。あまり自分を追い込まないでほしい。名球会入りの250セーブまであと5。コンディションを整えれば、十分に達成できる数字です。今季はコロナの影響でセ・リーグはCSがない。阪神には失礼かもしれませんが、もし優勝の可能性が少なくなったら、コンディションが満点に整わなくても、チャレンジはできるはず。チームに迷惑をかけたくないと考えるでしょうが、これまでの実績や貢献度を考えれば、それぐらい迷惑をかけてもいい資格を、十分に満たしている投手だと思っています。

まだ「お疲れさま」と言う時期じゃない。ベテランになればコンディションを整えるだけでも大変なのは分かっています。それでも、マウンドで投げる姿をもう1度、見せてほしい。250セーブを達成する姿を見せてほしい。(日刊スポーツ評論家)