阪神や日本ハム、米大リーグのメッツやジャイアンツで活躍した新庄剛志氏(48)が13日、自身のインスタグラムで現役復帰を断念することを表明した。

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NPBの各球団が新庄さんの獲得を見送った理由の第一は、1年間やれる能力の不透明さだと思う。トライアウトの4打席だけでは、年間を通して活躍できる証明にはならない。何が何でもというならば、独立リーグでプレーしながら、継続してできるところを見せるべきだった。

新庄さんの場合に限らず、ベテラン選手というのは1軍でプレーできないと意味がない。2軍は育成の場で、ベテラン選手の居場所ではないからだ。48歳という年齢では、その面でも獲得へのハードルが高くなるのは当然だ。

トライアウトに参加できるまで体をつくったことや、安打を放ったことは素晴らしかった。ただ「48歳なのにすごい」「10年以上野球やっていないのにすごい」と、単純な称賛ではなく、枕ことばがついてしまうのも確か。話題性や集客力は試合に出られてこその副産物であるべきで、各球団の判断は正当だった。

とはいえ、新庄さんが今回の挑戦で得たものは小さくない。イメージや“商品価値”は格段に向上した。CM出演の話などが届いてもおかしくないのではないだろうか。(日刊スポーツ評論家)