中日戦が雨天中止になった阪神は、再び1軍昇格を果たした藤浪が先発予定でした。ファームで結果を残したとはいえ、実際に投げてみないと分からなかったから難しい日で、チームは巨人戦に向けてネジをまき直すことになりました。

阪神打線は決して好調ではありませんが、近本、中野の出塁率が高いのが強みです。この1、2番コンビが得点機を作って、とにかく先手を取って優位に進めたい。先にリードを奪われて重苦しい展開は避けたいです。

そこで再びマルテ、サンズ、ロハスの外国人トリオでクリーンアップを組んで、超攻撃型のオーダーに懸けたい。6、7番に3戦連続でベンチスタートの佐藤輝をスタメン起用し、先行逃げ切りのパターンに持ち込むべきです。

巨人の初戦先発は戸郷で、得意とするツーシームには左打者のロハス、佐藤輝のバットの軌道が合う可能性が高い。左右別の被打率でも、対右打者は打率1割6分6厘で、左打者になると2割7分1厘まではね上がるからチャンスです。

佐藤輝は試合前練習でも芯でとらえられず、打ち損じるケースが見受けられました。右足の踏み込みが浅く、体が反っくり返って“受け”になっている。ミートポイントが近く、いわゆるアッパースイングになっています。

ここはスローボールを投げてもらって、しっかりボールにバットを入れて角度をつけて打つ練習に取り組むなど修正したい。新人に過剰な期待を寄せるのは酷ですが、戸郷を打ち崩して佐藤輝の復調を待ちたいものです。

巨人先発は、戸郷から高橋、メルセデスが予想され、ここで阪神の追い上げを完全阻止する構えです。阪神としては先陣を切る西勇が先にリードするまで踏ん張ることがカギを握っています。(日刊スポーツ評論家)