阪神の先発ピッチャーに勝ちが付いたのは4試合ぶりだった。広島3連戦は秋山、青柳、西勇を立てながら敗れた。
真弓 ゲームの流れを作ったのは伊藤将だ。広島に3連敗で重苦しいムードだったが、特に3回までを3人ずつで完璧に抑えた。もともと球持ちが良いタイプだが、各打者は最速143キロの数字以上に速さを感じているようだった。ゴロアウトが多かったのも変化球が低めに制球されていたからだ。
打線は中日より少ない5安打で5得点。伊藤将は4回に大山の2ラン、5回はマルテの3ランで手厚い援護を受けた。
真弓 その前の4回表2死一、三塁の場面、福田の打席で仕掛けられた中日の重盗を防いだのが大きかった。梅野が落ち着いたプレーで三塁走者・大島を刺した。大山の本塁打は3ボールから1球ストレートを挟んだ後の3-1からで、自分の打てるカウントに持ち込むことができた。マルテの3ランも、近本二塁打、中野がストレートの四球を選んだ直後だから、チーム安打数は少ないが、打線がつながった形だ。
この日は、ヤクルト、阪神、巨人の上位3チームとも競り勝った。
真弓 来週のヤクルト戦までにサンズ、佐藤輝の調子を上げさせたい。7回の代打佐藤輝は、中日岡田の1-2からの5球目、外角スライダーに二ゴロだった。上体で打ちにいってるから凡ゴロになったが、あの球をなんとか膝、腰の下半身で粘っていって、バットの芯に当てることができるようになれば変わってくる。打たなければという気持ちが強いだろうが、なんとか食らいついて出塁する姿勢で臨んでほしい。スタメン起用で4打席立たせながら復調させるべきだろう。【取材・構成=寺尾博和編集委員】