阪神は6連勝後に負け越したヤクルト、中日に続き、3カード連続でカードの“頭”に敗れた。早くも10度目の完封負けだ。

梨田 左の床田には、近本、中野、佐藤輝ら左打者も制球のついたボールでインコースを突かれたことでてこずった。それと球質も重そうだった。ベンチはマルテを考えていた時期より早く昇格させたのだろうが、プレーできるのは分かったけど、そのクリーンアップもさっぱりだった。

先取点を献上した6回の先発西勇は、西川に右前打後、4番マクブルームに3-2からの8球目スライダーを左翼スタンドに運ばれた。

梨田 西勇はマクブルームを追い込むまで、ストレート、スライダー、シュートを内外に投げ分けて完ペキだった。がっかりした表情をみせたボールもあったし、3ボール2ストライクになって、四球で歩かせたくなかったのだろう。あれだけ厳しいところに投げていたのに、勝負にいったスライダーだけが高めに甘くいった。でも西勇を責めるのは酷というものだ。

阪神の先頭打者が出塁したのは9回の1イニングだけで、無死一、二塁もマルテ、佐藤輝、大山が凡退した。

梨田 3点を追う8回裏は、熊谷、坂本と打ちとられたが、あの回に動くべきだったのではないだろうか。糸井、ロハスは走者のたまった場面を考えていたと思うが、梅野、原口も控えていたし、代打で攻めていくべきだった。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】