阪神はいい形で連敗を止めました。勝利を呼び込んだのは先発の伊藤将司投手です。7回に2点は失いましたが、さすがのピッチングでした。

ストレートと変化球のコンビネーションが抜群で、淡々とアウトを重ねていく。1回、2回と内野陣が失策を重ねて厳しい局面が続きましたが、先制点を許すことなく3回の先制攻撃につなげました。これぞ先発の役割という内容でした。

3点リードに広げた8回からは湯浅、岩崎とつないでの勝利。先発が試合を作り、方程式で締めくくる。阪神が今後、上位浮上を狙うためには欠かすことのできない形で連敗を止めた点は収穫といえるでしょう。

ただ、湯浅にしても、岩崎にしても万全といえる状態ではありません。とりわけ抑えの岩崎は下位から始まる中日打線に対して、コーナーを丹念につき、なんとか乗り切りましたが、打力のあるチーム相手であれば簡単に抑え込むことは難しかったと思います。抑え役を岩崎で貫くのであれば、まずはこの試合をきっかけに、より状態を上げていくことが求められます。

青柳、伊藤将に続く先発陣が不安定な状況だけに、こういった試合を着実にものにしていかなければ、上位をうかがうことができません。そのためにも救援陣の役割をしっかり固定、安定稼働できるかどうかが球宴までの課題となるでしょう。(日刊スポーツ評論家)

中日対阪神 中日に勝利し岩崎(左)からウイニングボールを手渡される伊藤将(撮影・加藤哉)
中日対阪神 中日に勝利し岩崎(左)からウイニングボールを手渡される伊藤将(撮影・加藤哉)