オリックスが質の高い投手力を存分に見せつけて逃げ切った。最大の勝因は1点リードの5回1死。先発山岡が塩見に中越え三塁打を浴び、2番手宇田川につないだ継投にあった。

ここは外野フライでも1点が入って同点になるケースだが、宇田川が2番山崎を空振り三振、続く山田を見逃し三振に仕留めたのは立派で、最高の仕事をした。いずれも最終球はフォークだった。

この1戦に敗れると苦しいオリックスは早いイニングから継投を意識し、リリーフ要員に準備をさせていたのだろう。その宇田川がベンチの期待に応えたのだから、中嶋監督の采配が的中したといえる。

宇田川が6回も投げきると、続く7、8回の2イニングを山崎颯で逃げ切りを図った。8回1死からヤクルト村上に力勝負で最後は159キロのストレートで左飛に抑えるなど見応えがあった。

注目は「抑え」に起用する人材だった。平野佳、阿部、ワゲスパックの3人が候補だったが、平野佳と阿部はこのシリーズで打ち込まれていた。短期決戦で大きな“傷”を負っていないワゲスパックの選択も好結果につながった。

ヤクルトは1回無死一、二塁の好機を迎えたクリーンアップに1本が出ていれば、すっかりヤクルトペースになっていたはずだ。オリックス山岡に2、4回は併殺に仕留められるなどチャンスの芽をつぶした。

オリックスの1勝でシリーズの行方はわからなくなった。第5戦以降も抑えはワゲスパックを起用するのではないだろうか。また打線は吉田正の後の打者がキーを握っている。(日刊スポーツ評論家)

オリックス対ヤクルト 9回に登板するオリックスのワゲスパック(撮影・和賀正仁)
オリックス対ヤクルト 9回に登板するオリックスのワゲスパック(撮影・和賀正仁)