阪神の3失点目は防げる1点だった。
3回1死で広島野間に二塁内野安打を打たれた。続く秋山の遊ゴロで2死二塁とされ、西川にタイムリーを打たれた。
二塁を守る中野の動きが遅かった。野間の一、二塁間へのゴロを後ろに下がりながら捕球して一塁へ投げたが、間に合わなかった。通常の二ゴロと思ったのだろうが、打球判断が甘かった。1歩でも、1歩半でも前で捕っていればアウトにできたはず。さらに秋山の遊ゴロの際、野間はスタートを切っていた。ここでも中野は二塁ベースカバーが遅れ、遊撃の木浪は二塁へ投げられなかった。もし、中野が全力で二塁に入っていればフォースアウトにできたかも知れない。そうすれば、西川の右前打もタイムリーにはならなかった。
中野は集中力が薄れていたのだろう。当然、集中はしていたが、ふと緩んでしまった、ということ。毎日試合に出るレギュラーにはありがちでもある。常に100%でプレーし、ここぞで120%を出すのが理想だが、できる人はなかなかいない。個人的な感覚になるが、普通は試合中、50~100%の間で集中力は上下する。ベンチでは50%まで下がり、グラウンドに出れば70~100%で上下する。大事なのは、打球が飛んできたときなどに70%を100%に上げること。スイッチの切り替えだ。
野間の打球が飛んできたとき、中野の集中力は70%のままだったことになる。もちろん、本人はそんなつもりはなかったはず。私も現役時、自分では集中しているつもりでも動きが緩慢になり、ミスにつながったことがある。
中野は今季から二塁へコンバートされた。好プレーで勝利をもたらした試合も多い。それだけに、もったいなかった。チームで立場をつかんだ後は、他チームの同じポジションの選手を意識することで、さらにレベルアップできる。私自身、古田敦也さんに負けたくないと意識し、成長につなげた。その点、広島の菊池がいいお手本。集中力の切り替えが抜群だ。初回、阪神先頭の島田の中前へ抜けそうな当たりも難なく処理した。
打てる、打てないは調子や相手もある。ただ、アウトにできるものを確実にアウトにすることで失点は防げる。これからの優勝争い、中野はライバルチームにもお手本を見つけ、さらに頑張って欲しい。(日刊スポーツ評論家)






