今夏の甲子園取材では、報徳学園の今朝丸裕喜投手(3年)を楽しみにしていた。大社戦での立ち上がりは1、2番打者にいずれも変化球を打たれた。スライダー、フォークともに制球が甘いことから、続く3番打者には真っすぐを続けて四球を与えた。
この回、守りの乱れもあり2点を失うが、ここが今朝丸の課題だと感じた。変化球がコントロールできないとしても、試合の中で試しながら使うことが必要だ。見ていると、今朝丸が首を振って真っすぐを投げる場面が目についた。
真っすぐで抑える自信があるのだろうが、それでは上のレベルでは厳しい。スライダー、フォーク、カーブの変化球のうち、序盤はスライダー、フォークが不調に見えたが、それでも使わないと感覚は取り戻せない。
2回以降はスライダーも低めに決まりだし、本来のリズムを取り戻した。5回は2死から高橋翔に対してアウトローの快速球で追い込み、低めスライダーで空振り三振。これが、本来のピッチングに感じた。
最速は146キロ。左打者、右打者のアウトローに指にしっかりかかったボールが行くと非常に力強い。この先、まだまだ球速は伸びるだろう。立ち上がりのクイックは1・31秒とやや遅かったが、それもイニングを追うごとに1・24秒とタイムを縮めた。
真っすぐと変化球のコンビネーションで勝負する総合力の高い投手という印象だ。対戦した大社のように今朝丸をよく研究し、大振りせず真っすぐの球威に負けないコンパクトなスイングをするチームだからこそ、現時点での正味に近いピッチングを見た思いだ。
今秋ドラフトでの上位指名の可能性があり、これからの成長に期待を寄せたくなる大型右腕だ。(日刊スポーツ評論家)




