阪神先発の村上頌樹投手(27)の投球内容は、レギュラーシーズンとはかけ離れていた。ストレートの球威、制球力ともに不調で、インサイドを攻める村上らしさは、すっかり影を潜めた。何とか5回を投げきることができたという印象だった。
村上の不調は、2回を除いて毎回得点圏に走者を背負うピンチに見舞われたことに表れた。DeNAがこのチャンスの連続を、どこかでモノにしていれば展開は変わっていたことだろう。だがそれを防いだ坂本誠志郎捕手(31)のリードは殊勲甲だった。
DeNAサイドは、村上に対して「攻める」イメージを持っていたに違いなかった。だからチャンスになるほど、打ち気にはやっていたようにも見えた。一方、阪神バッテリーはストレートでは勝負できないと察したのだろう。
特にリードする坂本は、インサイドに突っ込めないことで「攻める」から「かわす」に重点を置いていた。DeNAの打者心理を読みながら、スプリット系の落ちる球に頼らざるを得ないところで、うまくボール球を振らせた。
CSファーストステージから当たっている4番筒香を警戒し、強引に勝負にいこうとはしなかった。そして、チャンスで迎えた続く5番牧、6番山本に対して、うまくボールになるような球種を配し、打ち気をそらしながら決定打を許さなかった。
阪神の終盤の継投は、短期決戦のセオリー通りだった。使えるピッチャーはイニング、対戦打者に関係なくつぎこんでいくことだ。実戦から遠ざかったことで、打者には思い切りが感じられなかったが、この1勝で気分的にも変わるだろう。阪神がワンサイドでCSを突破すると見た。(日刊スポーツ評論家)




