初回の攻防が明暗を分けました。阪神は立石と森下のヒットなどで1死一、三塁の好機をつくりましたが、佐藤が低めのボール球を振って三振。一番いい打順に回ったのですが、大山も中飛に打ち取られて無得点に終わりました。対してソフトバンクは2死二塁から栗原が先制2ラン。チームが一気に勢いづきました。阪神才木、ソフトバンク大津という好投手同士の投げ合いで、4番が打つか打たないか。初回に阪神が先制していれば、違った展開になったでしょうし、これほどの大差ゲームにはならなかったかも知れません。
才木は2試合連続スライドの影響がどうかと思いましたが、初回に正木や近藤から真っすぐで空振りを取れていた。直球の強さがバロメーターなので、いける感覚はあったと思います。そこで栗原にも真っすぐで攻めたのですが、外のボール球要求が中に入って2ラン。この日最速の154キロだったので力負けですね。直球を狙われていると感じたバッテリーは、2回から変化球中心に変えましたが、勢いづいた強力打線を止めるのは難しい。野村には数少ない真っすぐを待たれ、3回は栗原にスライダーを狙われました。安定した相手の救援陣を考えると、3発目で勝負ありでした。
初回の攻撃でいえば、立石の走塁にももったいなさを感じました。1死二塁の二塁走者で、森下が右前ポトリと落とした打球は打った瞬間、ヒット性でした。続く4番、5番の凡打に目がいきますが、先制タイムリーにできた場面です。あの当たりで二塁から一気にかえってこられるように、打球判断を磨いてほしいところです。打撃では非凡なセンスを発揮しました。5回の2ランは大津の初球チェンジアップに体が前に出されることなく、引きつけてとらえた。タイミングが取りづらく、他の選手が苦労していた球種をしっかりためて打った1発に、高い技術を感じました。(日刊スポーツ評論家)




