ソフトバンク今宮健太内野手(26)が「脱力打法」で20本塁打超えを誓った。

 21日、福岡・北九州市の大谷球場で行っている自主トレのフリー打撃で柵越えを連発。「いい感じで打てている」と新打法に好感触をつかんだ。ホークスの遊撃手でシーズン20発以上は63年小池(22本)と98年井口(21本)の2人だけ。今季は守れるだけでなく「打てる遊撃手」の称号も手にするつもりだ。

 両翼102メートルもある大谷球場の左翼フェンスを打球が見下ろして行く。「今までとは打球の伸びが違うと思う。いい感じで打てていますね」。打撃の話ではめったに自信のコメントを発しない今宮が、笑顔でそう話した。

 7日にスタートした自主トレで最大の課題は「打力アップ」だった。力感なく、いかに強い打球を打てるか-。「まだ習得まではいっていないけど、悪い打ち方はすぐにわかるようになりました。すぐ修正もできますし」。午後からのフリー打撃。約30分で20本以上がフェンスを越えていった。スタンドに詰めかけた約1000人のファンからも柵越えのたびに歓声が上がった。その後のロングティー打撃でも逆風の中、軽々とオーバーフェンスを連発した。

 昨年は自己最多の14本塁打を放った。打率、打点、盗塁もキャリアハイの成績だったが、胸を張れる数字とは思っていない。守備では12球団を代表する遊撃手に成長したが、毎年の課題は打撃力向上だった。

 「どうしたらコンパクトに打てるか。力が入らない打ち方がテーマ」と、自主トレでは徹底して打撃時の「力み」をそいできた。前日(20日)も日が落ちるまで球場でバットを振り続けた。「この感じで打っていければ」。自信の表情からは20本塁打どころか、25本も可能かもしれない。

 ホークスの歴史も一気に塗り替える。過去、遊撃手で20本塁打以上をマークしたのは63年の小池(22本)と98年の井口(21本)しかいない。昨年14本塁打を放った今宮が9本以上上積みすれば、記録更新となる。「体の状態はすごくいいし、今年はキャンプにフルで入っていけます」。守りの人から「打の人」へ。大変身を遂げるつもりだ。

【佐竹英治】

ソフトバンク今宮の年度別成績
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