マツダスタジアムは雨が降り続いていた。中高年の昔話で恐縮だけど雨を見ると思い出すことがある。闘将・星野仙一が指揮を執り、18年ぶりリーグ制覇、そして阪神史上2度目の日本一を目指した03年だ。

指揮官・王貞治率いるダイエー(当時)との日本シリーズは同年10月18日、土曜日に福岡ドームで開幕。ここで阪神は連敗した。あっさりやられてしまうか。すでに星野の勇退は明らかになっている。「4連敗で終わるのはイヤやな」。虎番キャップだった当時、正直、弱気になっていた。

同20日の福岡から甲子園への移動日を挟み、21日が第3戦の予定だった。しかし、21日のゲームは雨天中止になったのだ。これは結構、忘れられている事実だと思うのだが、この雨天中止で流れは、少々、変わった気がする。

22日第3戦から24日の第5戦まで阪神は怒濤(どとう)の3連勝。劣勢をはね返し、一気に王手をかけた。25日土曜が移動日となり、再び福岡に乗り込んだ。しかし日曜、月曜に行われた第6、7戦に連敗し、日本一を逃したのは知られるところ。だがあの雨がなければ4連敗もあったかも-と思っている。

「雨で流れが変わる」というのは、この世界ではよく言われるところだ。指揮官・岡田彰布が15年ぶり復帰となった阪神、これで4試合目の雨天中止となった。6月の梅雨時や夏から秋にかけての台風の季節は中止が多いが5月上旬で4試合は少々、多い感じだ。

そして過去の中止3試合に共通していることがある。いずれも次の試合に負けているということだ。

5日広島戦(マツダスタジアム)中止の翌6日は雨天コールド負け。前日4日は勝っていた。さらに15日DeNA戦(横浜)中止の翌16日は敗戦。さらに25日巨人戦(甲子園)中止の翌26日も負けた。

もっとも中止直前の試合は4日は○、14日●、そして23日中日(バンテリン)も●と1勝2敗。「雨が降って流れが変わる」ということに直接は当てはまらないのだが「中止から黒星」という流れは断ち切ってほしいところだ。

「どうせならエエ天気(晴れ)でやりたいよな」とは岡田がよく言う言葉だ。この日は先発ローテの組み直しなどで頭がいっぱいの様子だった。7日も天気予報はよくないが「貯金6」にして9日からの甲子園6連戦につなげられるか。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)