どっかん! である。05年のナゴヤドーム(当時)の「めちゃくちゃしたれ!」を思い出すような指揮官・岡田彰布の怒りっぷりだった。9回、熊谷敬宥の盗塁を巡る経緯は虎番記者の記事でじっくり読んでいただくとして、岡田が怒るというか、戸惑ったのも無理はないと思う。

最初のジャッジは「セーフ」。ここで敵将・三浦大輔のリクエストがあり、協議の結果、責任審判・敷田直人は「妨害とは見なしません」とアナウンス、アウトにしたことを説明した。だが元々のジャッジは「セーフ」でそれに対し、三浦がリプレー検証を求めているのだ。

流れから言えば「アウト」とした上で、仮に阪神側から「走路を妨害しているのでは」と注文が出た場合なら、この説明でも理解できたかもしれない。何というか途中が抜けているわけで観客側からしても納得できないように感じた。

プレー自体に関して言っても、あえて名前は書かないが、ある阪神選手からは「故意ではないと思うけど、あれでアウトになるなら盗塁はできないですね」という声も出ていた。

そこで思うのは、いま、阪神が置かれている状況である。品のない表現で申し訳ないが、これから阪神が戦う相手はみんな「目の玉をひんむいて向かってくる」ということだ。

「向こうにいいプレーが出たね、あのサード、そしてセカンドの。あれでやられた感じだね」。内野守備走塁コーチの馬場敏史はそう漏らした。その通り、この日は7回1死満塁でミエセスの三ゴロを飛びついて処理、併殺に仕留めた宮崎敏郎、さらに8回、2死三塁で大山悠輔の抜けそうな当たりをさばいた牧秀悟とDeNAの内野陣に反撃を阻止された。あれが安打になっていれば9回のもめ事も起こっていない。

前日の広島戦も菊池涼の好守に阻まれ、岡田は「あれで流れが変わったんよな」と嘆いていた。首尾よく阪神がアレしたとして、CSで戦う可能性の高い広島、DeNAは当然として、他球団も今後は「阪神だけには負けん」と思って向かってくるのである。

反対の立場になれば、それは当然だ。独走を許したチームに少しでも意地を見せようという気になるのが普通である。だからといって審判のジャッジまで不利になっていくとは思わないけれど、これから本当の厳しい戦いになるのだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

DeNA対阪神 9回表阪神1死一塁、熊谷の盗塁死判定に抗議する岡田監督(撮影・上田博志)
DeNA対阪神 9回表阪神1死一塁、熊谷の盗塁死判定に抗議する岡田監督(撮影・上田博志)
DeNA対阪神 9回表阪神1死一塁、熊谷の二盗死の審判に激しく抗議する岡田監督(撮影・上田博志)
DeNA対阪神 9回表阪神1死一塁、熊谷の二盗死の審判に激しく抗議する岡田監督(撮影・上田博志)