次は東京五輪で金メダルを-。野球の第27回U18(18歳以下)ワールドカップに出場した東北勢5人が、決勝から一夜明けた7日、日本代表の解団式に出席し、長い夏を終えた。今秋ドラフト上位候補の仙台育英・平沢大河内野手(3年)は「五輪に出たい気持ちがある」と、プロで成長し、再び日の丸を背負うことを誓った。

 侍ジャパンの一員として、高校球児の中で一番長い夏を過ごした平沢は「疲れました」と笑った。7月の県大会で6戦、夏の甲子園で6戦、U18で9戦。夏休みの宿題に全く手を付けず、この夏は野球だけに没頭。今大会では主軸、遊撃として8戦に先発し、ベストナインにも選ばれた。すべてをグラウンドで出し切った。「帰ったら家でゆっくりしたいです」と、やっと体を休められる。

 U18初の日本開催で、2次リーグ韓国戦からの3戦は聖地甲子園。テレビで中継されるなど注目を浴び、毎試合スタンドからファンの熱い応援を受けた。「声援が力になる」とホームで戦う充実感があった。5年後、東京五輪でもし野球が競技に復活すれば、同じような状況で再び世界一を目指せる可能性がある。「また日の丸を背負いたい。その気持ちがある。選ばれるように頑張っていきたい」と新たな夢を胸にした。

 この夏、平沢は化けた。もともと、走攻守そろう遊撃手としてドラフト指名は確実視されていたが、甲子園での3本塁打で名を上げ、U18での木製バットへの対応と逆方向への4安打で評価はさらに上がった。今は楽天、阪神など複数球団が野手上位候補にリストアップする。近日中にも志望届を出し、来月22日のドラフトを待つ。

 6日の米国との決勝直後。平沢は負けた悔しさをかみしめながら、もう前を向いていた。「すべてにおいてレベルアップしたい」。世界大会の経験を糧に、プロの世界へ羽ばたく。【高場泉穂】