日本文理が3年ぶり9回目の優勝を決めた。昨秋、今春、そして今夏と現チームになって県大会完全制覇。その地力を見せたのが、8回裏だった。

 8回表に1点リードされ、3-4で迎えたその裏。1死三塁から1番飯田涼太中堅手(3年)の左犠飛で同点。その後の2死一塁から3番川村啓真右翼手(3年)の左翼2ランで勝ち越した。今大会ここまでチーム打率3割8分4厘の強力打線。だが、意外にもこれがチームの大会初本塁打。川村は今大会6四死球とマークされていた中で、最後の最後に結果を出した。

 大井道夫監督(75)は「感極まっちゃったね。子どもたちがよく頑張った。感謝しないとね」。この夏限りで勇退が決まっている。最後の花道として甲子園を用意してくれた、孫同然の選手たちをたたえた。遊撃手の笠原遥也主将(3年)は「甲子園では監督に1勝でも多くプレゼントしたい。日本文理らしい野球をして、目標は全国制覇」と、力を込めた。