開幕試合の始球式に元中日の井端弘和氏(44)が登場した。プロ注目の左打者、八戸学院光星・武岡龍世内野手(3年)の膝元にズバッと決まる快速球を投げ込み、場内をどよめかせた。

「左打者だったから攻められるかなと思った。事前に『思い切っていくから』と伝えておきました。(巨人)坂本が出たところで、坂本に近い選手と知っていたので少しムキになったところもあったかな。初めて甲子園のマウンドで上がって、投手がパニックになる気持ちが分かりました」といたずらっぽく笑った。

初めての始球式で、投手経験も一切なし。甲子園はプロで何度も来たがマウンドは初めてだった。7月の日米大学野球では、同学年で昨年まで巨人の監督とコーチの間柄だった盟友・高橋由伸氏(44)が始球式。「“由伸さん”に負けないように」と気合を入れていた。キャッチボールでしっかり肩を作り、中5日を空けて準備万端整える「プロ流」の調整で、仕事人らしく結果を出した。

中日の名遊撃手としてならした井端氏は、高校時代は93年の75回大会に堀越(当時は西東京)で出場。1回戦は西条農(広島)に1-0で勝ち、2回戦は鹿児島商工戦に0-3の8回途中雨天コールドで敗れた。亜大を経て中日に入団。巨人に移籍し、引退後は昨年まで巨人のコーチだった。

「ずっと野球を続けてきたが、高校野球が一番の思い出。ほかの選手がいて初めて野球ができると知った。貴重な3年間でした。(高校野球の)甲子園は自分が出て以来だったので、入場行進に見入ってしまった。プロ野球選手も高校野球が好きで、みんなロッカー室でテレビを見ていますよ」と振り返った。