瀬戸内寂聴さんの母校で、春夏通じて甲子園初出場の城東(徳島)が東京王者の東海大菅生に食らいつき、甲子園を沸かせた。

初回、1死一、三塁と好機をつくると4番・岡一成外野手(2年)の二ゴロの間に三塁走者の吉田優内野手(3年)が生還し、先制点を奪った。吉田は「まさか先制のホームを踏めるとは思わなかったが、うれしかった」と城東の甲子園初得点を振り返った。

同点に追いつかれた直後の2回には持ち味を出した。先頭の森本凱斗捕手(3年)が死球で出塁。すがさず犠打で送ると、暴投も重なって1死一、三塁と勝ち越しのチャンスを作った。9番の長谷鴻志郎内野手(2年)が2ストライクと追い込まれながらスクイズを決めて勝ち越し。長谷は「スクイズのサインが出るのは分かっていたので心の準備はできていた。絶対に決めれるという気持ちが強かった」と犠打2つを決めてノーヒットで1点を奪った。

青色に染まったアルプススタンドが選手を後押しした。徳島からバス35台を使って、全校生徒で応援。平日の昼間にもかかわらず、関東からも卒業生が応援に訪れるなど、大歓声で選手を後押し。得点が入ると、地元・徳島の阿波おどりで盛り上がった。主将の森本は「甲子園は想像よりすごかった。とても大きい歓声で応援歌も練習してくれていたので、感謝の気持ちを忘れずにプレーできた」と最後まで戦い抜いた。

試合前には永野悠菜マネジャー(3年)が甲子園史上初の女子ノッカーとして内野ノックを打った。東京王者に敗れはしたが、マネジャー1人を含めた部員13人とアルプスが1つになった。新治良佑監督(35)は「13人という少ないメンバーで最高の舞台、東京チャンピオンという最高の相手と試合ができた。選手たちも普段以上の力が発揮できたと思います。現状の100%の力は出せた」と選手をたたえた。

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