甲子園まであと1アウトから、するりと白星がこぼれた。

9回2死二塁から、サヨナラ負けを喫し、桐生第一(群馬)のエース左腕・中村駿汰投手(3年)はマウンドで泣き崩れた。「サポートに回ってくらたメンバー外の選手たちに申し訳ない。悔しいです」と話した。

アクシデントにも動じなかった。1-1で迎えた5回1死、打球が左くるぶし付近を直撃し、内野安打。中村は立っていることができず、チームメートに背負われてベンチへ下がった。治療の時間をはさみ、今泉壮介監督(43)に「行けます」と直訴。再びマウンドに上がった。連打と四球で2死満塁のピンチとなるが、最後は踏ん張って投ゴロに抑え、ガッツポーズが飛び出した。「痛かったけど、それよりもチームが優先だった。自分は犠牲になってもいいと思いました」と明かした。

痛みをこらえながら気迫で完投し、8回2/3を被安打11の3失点。8回には3者連続三振も奪い「自分は三振をとる投手ではない。3年生36人が三振を取らせてくれたのかなと思います」。今泉監督は「中村に託すことしかできなかったのがつらかった。よく投げたと思います」と声を詰まらせた。

中村は準決勝で第1シードの高崎健康福祉大高崎を完封。最後までマウンドに立った姿は、エースそのものだった。

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