日刊スポーツはセンバツ期間中、負けチームにもスポットを当て、「胸張ってイイじゃん」と題して球児たちの奮闘に迫ります。

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1点を追う9回2死。5番の契夏が打席に入った。双子の弟で回の先頭で一ゴロに倒れていた3番翔磨は祈った。「あとは託すしかない。何とか打ってくれ」。だが、思いは届かず契夏の遊ゴロで試合は終わった。「絶対に打ってチャンスを広げようと思いましたが、打てなくて悔しいです」。2勝した喜びとほろ苦い終戦…。初めての聖地でいろんな思いが交錯した。

甲子園出場は双子の夢で、家族の夢でもあった。中学時代は「2人で甲子園に行けたらいいね」と夢を語り合い、夜遅くまでバットを振った。高校も同じ道へ。思うような結果が出なくても「どちらかだけでもベンチ入りしよう」と励まし合い、汗を流してきた。

東北大会準優勝でかなえた甲子園。スコアボードには「新谷契」と「新谷翔」が大事なクリーンアップに名を連ねた。「『双子』よりも『親友』という感覚です」と話す翔磨は「契夏がいなかったら今の自分はいませんでした」と感謝。契夏も「やっぱり甲子園は最高でした」と今まで見た景色に勝るものはなかった。

最後の夏にかける思いは青森勢初の日本一。新谷ツインズの物語は続いていく。【木村有優】