ブレーブスなどで活躍し、通算213勝155敗154セーブ、防御率3・33の記録を残した殿堂入り名投手ジョン・スモルツ氏(49)が、頻発している投手の故障に警鐘を鳴らした。

 米FOX電子版によると、メッツのエース、ノア・シンダーガード投手(24)が右広背筋の裂傷で故障者リスト(DL)に入ったことを受け、スモルツ氏がコメント。投手を車に例え「レッドゾーンまでエンジンの回転数を上げて、そのままずっと運転していると、エンジンはブローしてしまう。激しく、長時間レースをするとオーバーヒートすることもある。大リーグの投手もレッドゾーンに近い状態で投げている。彼らは6速ギアの速さで投げることを学ぶ準備ができていないまま、いつも6速で投げている。4速や5速じゃないんだ」と話したという。

 シンダーガードの今季平均球速は4シームが99・5マイル(約160キロ)、2シームが98・81マイル(約159キロ)、スライダーが93・09マイル(約150キロ)、チェンジアップが90・9マイル(約146キロ)、カーブが85マイル(約137キロ)となっている。

 CBS電子版はこの数字を「狂気の沙汰」と表現。もしシンダーガードの直球が97マイル(約156キロ)、スライダーが88マイル(約142キロ)程度であれば、同投手としては目を引く数字ではないにしても、故障は防げたのではないかと記している。

 CBS電子版はさらにスモルツ氏の言葉を補足し「パワー投手の多くが故障する。それは彼らが体を大きく、強くしている一方で、投げる動作は体に対して自然なことではないから」と説明。「人間は100マイル以上の球を、中4日で何度も何度も投げるようにはできていない」と記した。